この MEGAUPLOAD のような「ファイル共有サイト」「オンラインストレージサービス」とはなんなのでしょうか?
MEGAUPLOAD にそのまま当て嵌るかどうかはわかりませんが、私の理解している範囲で説明してみたいと思います。
まずはその名の通り、ファイルをアップロードしたい人がアップロードして、それをダウンロードしたい人できるようにする、というWebサービスです。
単純にこれだけのもので、基本的に無料で利用できます。
では、このサービスを無料で提供するファイル共有サービス業者がどうやって利益を出しているかというと、会員登録料で儲けています。
このサービスを無料で利用した場合様々な制限がかかります。
- 回線の速さが制限されている
- 一度にアップロード、ダウンロードできる大きさが制限されている
- 一度に複数はダウンロード不可能
- 一つのファイルをダウンロードした後にもう一つのファイルをダウンロードできるようになるまで一定の時間がかかる
- キャプチャ入力(読みにくい文字の書かれた画像が表示され、その入力を求められる)の必要がある
- そもそも会員でないとダウンロード出来ない(有料)
これらの制限の特徴としては「無料の利用者をイライラさせる」ということに尽きます。そしてこの利用の過程で「このイライラを解消したいなら会員になって下さい」という宣伝が度々見せられるわけです。それに負けて有料会員になる人は少なくないでしょう。
そして、アップロードした人に対しては、そのアップロードしたファイルをダウンロードする人が有料会員になった時点でアフィリエイト料(紹介料)が支払われます。このことで、アップロードする側のユーザーはより人気のあるものをアップロードし続ける動機が常に維持されているわけです。
今回の MEGAUPLOAD の逮捕劇は「著作権侵害」ということが名目になっているようです。この「ファイル共有サービス」を利用する流れの中で、「著作権侵害」行為というのを行なっているのは一体誰になるのでしょうか。MEGAUPLOAD自身が「映画などを違法コピーして、数億円の利益を得ていたとされている」と報じているメデイアもあるのですが、上記の構造を踏まえるとおそらくそうではないでしょう。
例えば個人が自分で作った映画や楽曲を多くの人に見てもらうために利用することについてはおそらくなんの法的問題もないはずで、 一般的な「ファイル共有サイト」も(違法コピーのためとはいうわけはないので)そのためのサイトである、と建前上は言っているのではないでしょうか。
ファイル共有ソフト Winny の開発者は無罪になりました。
MEGAUPLOAD に関してはこの会社のトップが非常に目立つ行動をする人だったことや、アメリカのアーティストを巻き込んで派手に宣伝をしていたりしたことから目を付けられたということでしょうか。もちろん、先日 Wikipedia 等が抗議活動を展開していた SOPA(Stop Online Piracy Act)、PIPA(PROTECT IP Act)という2つの法案が廃案、延期に追い込まれたタイミングというのも無関係ではないでしょう。
アメリカのFBIが香港の会社である MEGAUPLOAD の社長をニュージーランドで逮捕した、というのにも驚きです。アメリカの動きがインターネット全体のことになるのは今後も意識しておく必要があるでしょう。
関係無いですが、この手のファイル共有サービスで一番被害にあってるのは映画業界でも音楽業界でもなくアダルトビデオ業界だと思うんですけど、違いますかね。
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